3年前、京都伏見で知人が物件を買いました。
懇意にしていた不動産屋が所有者の相続を期に購入。
リノベしようと試みるもどうしようもなくなり、知人に話が来たからです。
「ふっ、不動産屋でもどうにもならない案件が来るとは、、どんだけ凄いと思われてんねん。っというかプロでもやらんヤツをよう引き受けたな。」
なんて思っていました。
この物件の何が凄いって
ゴミの量。
いわゆる「ゴミ屋敷」でした。
中には、大量の衣類、ペットボトル、ぬいぐるみ、雑誌などがありました。
まあ当たり前のようにまずは玄関が開きません。
トイレの扉ももちろん開かん。
っというか最初の頃はまずトイレがどこにあるのかさえも分からず、もちろん間取りもわからん。
階段が全てゴミで埋め尽くされていて
2階に上がることが出来ず、、、
あー、書き出したらきりないわ。
とにかくゴミごみゴミごみ!!
しかも屋根が朽ちてて
青天井で雨ざらし。
2階は
ゴミ × 雨水 × 5〜10年の年月
でドブみたいな臭いが、、
そこにゴッキーも当たり前の様に住み着いていて地獄絵図だったのですが、この環境でも生き延びるゴッキーの生命力に畏敬の念すら覚えました。
ゴミを捨てることももちろん大変だったのですが、それ以上に大変だったのは近所からの嫌味。
・テレビのアンテナが傾いていて危ないから直せ
・ゴミの臭いキツすぎる、何とかしろ
なんて事を毎日のように言われました。
確かに今の所有権は知人にあり、
購入を決意した以上
知人にはご近所に迷惑をかけないように努力する義務はあります。
でもね、
誰も好き好んでゴミ屋敷なんて引き取りません。
それこそプロの不動産屋が音を上げたような家です。
知人もいつも世話になっている不動産屋が困っていて、泣きつかれたから仕方なしに買っただけです。
社会貢献ですよ、こんなもん!
知人が買わなければ、確実に誰も何もせず、どんどん家の腐敗は進み、いつかもっと大きな問題になっていたはず。
救世主と崇められてもおかしくない状況で逆に文句言われるとは、、
じゃああなた達は近隣の住民として、元の所有者と何かコミュニケーションを取り、少しでもゴミを集めるという病気が良くなるように手助けしたんですか?
なんでこんな状況になるまで、誰も何も助けて上げなかったんですか?
もちろん一番悪いのは元の所有者です。
でも、
どう考えても心の病を持っていたはずです。
それを近隣の人々が見て見ぬふりをしてきた結果、こうなったんじゃないですか?
次の所有者が決まった途端
「はい、お前の持ち物だから全部お前の責任ねー」
ってそりゃないでしょ。。
・・・・・・・・・・・・・・
愛情の反対は「無関心」とはよく言ったもので、空き家問題に関してはこの無関心が非常に多いです。
今すぐに家が崩れるということはあり得ません。
でも5年10年と使わなければ十分に可能性はあります。
不安を煽るようなやり方はしたくないのが本音ですが、ふっと3年前のゴミ屋敷の話を思い出したので
当事者の一人として、放っておいたらいずれ大変なことになるよ
っということを伝えておきたいと思います。
mitsu
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